
Power Automate研修から学んだ非エンジニアでもできる自動化の第一歩
💡読了目安時間:約8分
記事の概要
この記事では、Power Automateの初級研修を受講した体験をもとに、学習内容・難易度・業務への応用例を紹介します。
こんな人におすすめ!
- ITスキルに自信がないけれど、業務を効率化したい方
- 毎日のルーティン作業に時間を取られている方
- Power Automateの研修内容や難易度を事前に知りたい方
- Microsoft 365やSlackなどのツールを業務で使っている方
- 非エンジニアでも使える自動化ツールを探している方
業務活用につながる研修評価
- 学習効果 「★★★★☆(4点)」
ハンズオン形式で実際に操作しながら学べたことで、基本的なフローの作成方法が身につきました。
- 実用性 「★★★★★(5点)」
研修で学んだSlackとの連携方法はすぐに業務に応用でき、通知作業の自動化などに役立ちました。
- 学習難易度 「★★★☆☆(3点)」
IT未経験の新入社員にとって一部難しい部分もありましたが、サポートが手厚く、安心して取り組めました。
Power Automateとは?
Power Automateは、Microsoftが提供する業務自動化ツールです。
Excel、Outlook、Teamsなど、Microsoft 365の各種サービスだけでなく、Google Drive、Slack、GitHubなどの外部サービスとも連携して、自動でファイルを保存したり、メールを送ったり、通知を出したりすることができます。
Power Automateで作成する自動化の手順は「フロー」と呼ばれます。
フロー:「トリガー」と「アクション」という2つの要素で構成される。
- トリガー:「フローを動かすきっかけ」となる部分で、たとえば「新しいメールが届いたとき」や「指定フォルダにファイルが追加されたとき」などが該当。
- アクション:「トリガーが起きた後に実行する処理」で、メール送信やファイル保存、Teamsへの投稿など、具体的な作業を指す。
非エンジニアでも直感的に操作できる設計になっていて、ITに詳しくないユーザー企業の方でも十分活用できると感じました。
受講を決めたきっかけ
業務の中で、「この作業、毎回同じことをやっているな」「ちょっとした作業だけど意外と時間がかかるな」と感じることがありました。
特に、Excelのリスト更新や、社内へのリマインド連絡など、“やらなければならないが手間がかかる”業務が気になっていました。
そんな中で、Power Automateというツールを知り、「ノーコードで業務を自動化できる」「Microsoft製なので社内の環境とも連携しやすい」といった点から、自分にもできるかもしれないと思い、講座を受講することにしました。
受講内容とその習得レベル
弊社の教育支援サービス「BFT道場」では、定額制でさまざまな技術研修を受講できる「チョイトレ」というプログラムを提供しています。
実践的なハンズオン形式の講座も用意されており、今回はその中の「Power Automate初級編」を受講しました。
受講ステップと学びやすさ
学習難易度 「★★★☆☆(3点)」
学習にかかった時間:おおよそ3時間
- 事前準備(約20分)アカウントの作成や基本的な環境設定など、受講前に必要な初期作業を行いました。
- 座学パート(約20分)Power Automateの概要や基本概念について、スライドを用いた解説を受けました。
- ハンズオン演習(約2時間20分)実際に手を動かしながら、フローの作成や自動化処理の構築を体験しました。
受講内容
受講した講座では、Power Automateの基本的な操作から、簡単なフロー作成までを体験しました。
Chapter 1:Power Automateを知ろう(座学編)
まずはPower Automateの基本的な役割や特徴を学びました。
Power AutomateはMicrosoft 365の一部として提供され、OutlookやExcel、SharePointなどのM365サービスだけでなく、Google DriveやSlack、GitHubといった外部サービスとも連携可能。定常的な作業(メール転記、データ収集など)をノーコード/ローコードで自動化できます。
フローの種類や、構成要素であるトリガー(開始条件)とアクション(実行内容)の役割も、この段階で整理しました。
Chapter 2:アンケートフォームの連携(Forms × Lists)
最初のハンズオンでは、Microsoft Formsで収集したアンケート結果を、SharePointのListsに自動転記するフローを作成。
たとえば、定例会の参加可否などの回答を一覧で管理する場合に便利な仕組みです。
フローは以下のように構成しました。
- トリガー:Formsで新しい回答が送信されたとき
- アクション:回答詳細の取得 → 投稿者プロフィールの取得 → Listsへの項目作成(転記)
実際にFormsでアンケートを作成し、ExcelからListsを作成して列名を質問項目に対応させ、Power Automateでフローを構築。最後にテスト投稿で正常動作を確認しました。
Chapter 3:リマインダー機能の実装(Slack × Lists)
次は、Listsに登録された連絡事項を、指定日時にSlackのチャンネルへ自動投稿するリマインダー機能を作りました。
定期的な業務連絡や、タスクの締め切り前リマインドなどに活用できます。
フローの構成は以下のとおりです。
- トリガー:指定日時
- アクション:Listsから項目を取得 → メッセージを変数に格納 → Slackに投稿
この演習ではSlackワークスペースへの接続設定も行い、ExcelからListsを作成、Power Automateで日時指定や変数設定を加えた後、テスト実行でSlack投稿を確認しました。
Chapter 4:自動メール返信機能の実装(Outlook × Lists)
最後のハンズオンは、Outlookで受信した問い合わせメールに自動返信し、その内容をListsに記録するフローです。
カスタマーサポート業務の効率化に直結する機能で、実務での再現性が高いと感じました。
フローの構成は以下です。
- トリガー:Outlookで新しいメールを受信
- アクション:HTMLメールからテキスト抽出 → 自動返信メール送信 → Listsに問い合わせ内容を登録
演習では、Excelから問い合わせ一覧用のListsを作成し、Power Automateでメール受信、返信、転記の流れを構築。テストメール送信で、自動返信とLists登録の動作を確認しました。
学習のポイント
受講してよかったこと
- 自分の業務を「手順」に分解して考える力が身につく
- 自動化のフローを一度作ってしまえば、毎日の小さな業務がどんどん減っていく
- “非エンジニアでも業務改善に関われる”という実感が持てた
特に良かったのは、「業務をどう整理すると自動化できるか」を考える視点が得られたことです。
Power Automate自体を使いこなす以上に、こうした視点が今後も役立ちそうです。
難しかったこと
- 「Apply to each」が自動で追加される仕様に戸惑う
最初は自分で入れた覚えがなかったのに、あるタイミングで勝手に「Apply to each」が追加されたように見えて、「あれ?いつの間に?」と軽く戸惑いました。
実はこれ、リスト形式のデータ(たとえばExcelの複数行やSharePointの複数アイテムなど)を扱うと、自動でループ処理として挿入される仕様になっていたのです。プログラミングでいう「for each文」に近く、1件ずつ処理するためのものです。
当初は「なぜ勝手に入った?」と混乱しましたが、後から「このデータは複数件あるから、1つずつ処理する必要があるのか」と理解できるようになり、今では動きの仕組みに納得しています。
「Apply to each」が自動で追加される条件や、ループ処理の構造を事前に知っておくと、突然表示されても落ち着いて対応できます。特に初めて触る方は、この仕様を頭の片隅に置いておくと安心です。
実践への活用
今後は、TeamsやSharePoint、メールなどのツール間で情報が自動的に流れる仕組みを構築し、業務全体のスピードアップやミスの削減につなげていきたいと考えています。
具体的には、以下のような活用を想定しています:
Slack × SharePoint:タスク完了報告の自動通知
SharePointでタスクが完了状態になったら、Slackに通知を送信。
→ チーム内で進捗をリアルタイムに共有できる。
Teams × SharePoint:会議議事録の自動保存
Teamsのチャットや投稿内容をトリガーに、SharePointに議事録として保存。
→ 情報の蓄積と検索性が向上し、ナレッジ共有がスムーズに。
まとめ
講座での学びを通じて、Power Automateが思っていたよりも「身近で使いやすいツール」だと分かりました。
自分の手作業を1つずつ自動化することで、少しずつ時間と気持ちに余裕が生まれます。
今後は、社内で繰り返し行っている定例業務や、属人化しがちな小さな作業にPower Automateを取り入れていきたいと考えています。
まずは自分が使いこなせるようになり、チームにも展開できるようになることを目標にしています。
Power Automateは、非エンジニアでも業務改善に取り組める強力なツールです。
この記事が、同じように「何かを変えたい」と思っている方の一歩につながれば嬉しいです。
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