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ZeroOpsとは|AIOps・DevOpsとの違いと導入メリットを解説

ZeroOps(ゼロオプス)とは、AIと自動化によってシステム運用の手作業を限りなくゼロに近づけ、異常の検知から復旧までを自律的に処理する運用のあり方を指す。この記事は、運用の属人化や人手不足、ノンコア業務の増加に悩む情シス部門・IT管理職に向けて、ZeroOpsの定義、AIOps・DevOpsとの違い、導入で得られる具体的なメリット、そして現実的な始め方を整理するものである。結論を先に述べる。ZeroOpsは一足飛びの「無人運用」ではない。まず診断で現状を可視化し、自動化できる領域を運用しながら少しずつ広げていく、その積み重ねの先にある到達点である。

目次[非表示]

  1. 1.ZeroOpsとは — 運用の手作業を限りなくゼロに近づける考え方
  2. 2.AIOps・DevOpsとの違いを整理する
  3. 3.なぜいまZeroOpsが注目されるのか
  4. 4.ZeroOpsがもたらす5つのメリット
  5. 5.ZeroOpsは「完全無人運用」なのか — よくある誤解
  6. 6.診断は点、運用は線 — ZeroOpsへの現実的な一歩
  7. 7.まとめ
  8. 8.よくある質問

ZeroOpsとは — 運用の手作業を限りなくゼロに近づける考え方

ZeroOpsは「Zero Operations」の略で、人による運用作業(オペレーション)をゼロに近づけることを目指す運用モデルを指す。監視、一次対応、復旧といった定型作業をAIと自動化に任せ、人はサービス改善や設計といった付加価値の高い仕事に集中する、という発想である。

その土台となるのがAIOps(AI for IT Operations=AIを使ってIT運用を高度化する取り組み)だ。運用の進化は、開発と運用を連携させデプロイを自動化するDevOpsに始まり、AIが異常検知や原因分析を支援するAIOpsを経て、AIが検知から復旧までを自律的にこなすZeroOpsへと段階的に進む。

重要なのは、ZeroOpsが「AIに丸投げして人がいなくなる」ことを意味しない点である。判断の難しい事象や重大な意思決定は人が担い、繰り返し発生する定型対応をAIに委ねる。人とAIの役割分担を組み替える考え方だと捉えるのが正確だ。

AIOps・DevOpsとの違いを整理する

DevOps、AIOps、ZeroOpsは対立する概念ではなく、自動化の到達度が異なる連続した段階である。混同されやすいため、観点ごとに違いを整理する。

観点

DevOps

AIOps

ZeroOps

主な目的

開発と運用の連携・迅速なリリース

運用データの分析・異常の早期発見

運用作業そのものの最小化

AIの役割

限定的(自動化スクリプト中心)

検知・相関分析・原因の推定

検知から復旧・是正までの自律実行

人の関与

運用を人が実行

判断と対処は人が担う

判断の難しい領域と改善に集中

代表的な作業

CI/CD、構成管理

ログ相関、異常検知、アラート集約

自動復旧、動的なリソース調整、再発防止の学習

DevOpsが「開発と運用の距離を縮める」取り組みだとすれば、AIOpsは「運用の目と頭脳をAIで強化する」段階、ZeroOpsは「運用の手足までAIに委ねる」段階と言える。多くの企業はまずAIOps的な仕組みを部分導入し、成果を確かめながらZeroOpsへ近づけていく。

なぜいまZeroOpsが注目されるのか

背景には、システム運用の現場が抱える構造的な課題がある。

第一に、いわゆる「守りの運用」の限界だ。障害が起きてから動く事後対応や、手順書に沿った手作業の監視は、システムが複雑化・大規模化するほど人手が追いつかなくなる。マルチクラウドやコンテナが当たり前になり、監視対象は増える一方である。

第二に、慢性的な人手不足である。運用を担える人材の採用は難しく、夜間・休日の対応が特定の担当者に偏りやすい。属人化はそのまま事業継続のリスクになる。関連する背景は[情シスの属人化を解消する4つのステップ]でも整理している。

第三に、ノンコア業務の重さだ。本来なら改善や企画に充てたい時間が、定型的な監視・一次対応に奪われている。ここを自動化で取り戻すことが、ZeroOpsが目指す価値の中心にある。

BFTは20年超にわたり金融・公共といった高い可用性が求められるシステムの運用を担い、ITIL v4・SRE・AIOpsの知見を運用設計に取り入れてきた。そうした現場感覚から言えば、ZeroOpsは流行語ではなく、増え続ける運用負荷への現実的な処方箋として位置づけられる。

ZeroOpsがもたらす5つのメリット

ZeroOpsを段階的に進めることで、運用現場は次のような効果を得られる。それぞれに具体例を添えて示す。

1. 障害対応時間の短縮
異常の検知から一次対応までをAIが担うことで、人が気づいて動き出すまでの空白時間がなくなる。例えば深夜にディスク使用率が閾値を超えた場合、担当者の起床を待たずに不要ログの削除や領域拡張が自動で走り、影響が広がる前に収束する。

2. 属人化の解消
対応手順が自動化の設定として明文化されるため、「あの人しか分からない」状態が減る。例えばベテランが休暇中でも、過去のインシデント対応を学習した仕組みが同じ品質で一次対応を行う。

3. ノンコア業務からの解放
定型的な監視や再起動対応から人が離れ、改善・企画に時間を回せる。例えば毎朝のログ確認やバッチ結果のチェックが自動レポート化されれば、その時間をサービス品質の向上に充てられる。

4. コストの最適化
リソースの使用状況を常時観測し、過剰なリソースを自動で縮小する。例えば需要の少ない時間帯に開発環境のインスタンスを自動停止すれば、使っていない時間の課金を抑えられる。

5. 運用品質の平準化
人の経験や体調に左右されず、対応の質が一定に保たれる。例えば夜間・休日でも日中と同じ判断基準で一次対応が行われ、対応漏れやばらつきが起きにくくなる。

これらのメリットは、下図のような自律ループが回り続けることで実現する。監視・検知、原因分析、自動対処、学習・改善が繰り返され、対応するたびに仕組みが賢くなっていく。

ZeroOpsは「完全無人運用」なのか — よくある誤解

ZeroOpsという言葉から「運用担当者が不要になる」と受け取られることがあるが、これは誤解である。現実のZeroOpsは、自動化できる領域から順に委ねていく段階的な取り組みだ。判断の難しい事象、影響範囲の大きい変更、初めて起きる障害などは、引き続き人が主導する。

自社がどの段階にあるかは、次のセルフチェックでおおまかに把握できる。

運用自律化 セルフチェック(5項目)

  1. 監視アラートの多くを、人が目視で確認してから対応している
  2. 一次対応(再起動・領域拡張など)の手順が、特定の担当者の頭の中にある
  3. 夜間・休日の対応が、いつも同じ担当者に偏っている
  4. リソースの過不足を、定期的な手作業の棚卸しで調整している
  5. 同じ種類の障害が、再発防止できないまま繰り返し起きている

3つ以上当てはまる場合、運用の多くがまだ人手に依存している段階である。まずは繰り返し発生している定型対応を洗い出し、自動化できるものから切り出していくのが現実的な出発点になる。

診断は点、運用は線 — ZeroOpsへの現実的な一歩

ZeroOpsは、いきなり全体を自動化して到達するものではない。出発点は「いまの運用のどこに手作業と属人化が残っているか」を正確に把握することだ。健康診断が治療の前提になるのと同じで、現状の可視化(点)がなければ、どこから自動化すべきか判断できない。

そして、診断で見つかる課題の多くは、一度直せば終わりではない。設定や運用は時間とともに再びずれていくため、直し続ける仕組み(線)がなければ元に戻ってしまう。診断は点、直し続けるのが運用である。ZeroOpsは、この「線」をAIと自動化で支える発想だと言い換えてもよい。

段階的に進めた場合の変化を、いくつかの観点で対比する。

観点

Before(人手中心の運用)

After(ZeroOpsに近づいた運用)

異常検知

人がダッシュボードを目視で確認

AIが常時観測し予兆の段階で通知

一次対応

担当者が手順書を見て手動対応

定型対応は自動実行、例外のみ人へ

夜間・休日

特定の担当者が待機・出動

自動対応が動き、人は重大時のみ関与

再発防止

対応履歴が個人に蓄積

対応内容を学習し仕組みに反映

人の時間

監視・一次対応に忙殺

改善・企画に再配分

現状を点で押さえる手段が診断(YOROZU SNAP)であり、その結果を線でつなぎ、運用しながら自動化を広げていく実行主体がシステム運用サービス(YOROZU STEADY)である。診断で終わらせず、運用に接続してはじめてZeroOpsへの歩みが始まる。

まとめ

  • ZeroOpsとは、AIと自動化で運用の手作業を限りなくゼロに近づけ、検知から復旧までを自律的に処理する運用のあり方である。
  • DevOps→AIOps→ZeroOpsは自動化の到達度が異なる連続した段階であり、対立概念ではない。
  • 注目される背景には、守りの運用の限界、人手不足、ノンコア業務の重さという構造的課題がある。
  • 主なメリットは、障害対応時間の短縮、属人化の解消、ノンコア業務からの解放、コストの最適化、運用品質の平準化の5点である。
  • ZeroOpsは完全無人化ではなく、現状の可視化(点)から自動化領域を運用しながら広げていく(線)、段階的な取り組みである。

よくある質問

Q. ZeroOpsとAIOpsは何が違いますか。
AIOpsはAIが異常検知や原因分析を支援し、判断と対処は人が担う段階です。ZeroOpsはその先で、定型的な対処や復旧までAIが自律的に行う段階を指します。AIOpsはZeroOpsの土台にあたります。

Q. ZeroOpsを導入すると運用担当者は不要になりますか。
不要にはなりません。判断の難しい事象や重大な変更は引き続き人が主導し、繰り返し発生する定型作業を自動化に委ねる、という役割分担の組み替えです。人はより付加価値の高い仕事に集中できます。

Q. 何から始めればよいですか。
まず現状の運用に残る手作業と属人化を可視化することです。診断で全体像を把握し、繰り返し起きている定型対応から自動化していくのが現実的です。全体を一度に自動化しようとすると失敗しやすくなります。

Q. 中堅企業でもZeroOpsは実現できますか。
可能です。大規模システムの運用で培われた設計を、規模に合わせて段階的に適用できます。重要なのは自社の運用実態に合わせて、効果の大きい領域から順に自動化を広げることです。


システム運用の属人化やノンコア業務に課題を感じている場合は、AI自律運用を志向するシステム運用サービス「YOROZU STEADY」の内容をご確認ください。診断で見つかった課題を、運用しながら直し続ける仕組みへと接続します。

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大原
大原
株式会社BFTのマーケティングを推進しています。

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