SCS評価制度、無料の「お助け隊サービス(新類型)」対象条件が判明。中堅企業は対象外に注意
2026年9月15日、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、SCS評価制度に関連する新しい中小企業支援策「サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)実証事業」の紹介ページに加え、事業の説明資料と、実証への参加対象となる「中小企業等」の定義を定めた資料を公開しました。SCS評価制度そのものの要件・スケジュールに変更はありませんが、対象企業の線引きが業種によって細かく異なり、支援策の恩恵を受けられない中堅企業が一定数生じる構造であることも分かりました。
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何が公表されたか
- 既存の「サイバーセキュリティお助け隊サービス」(2021年度運用開始、2026年3月末時点で累計導入約10,900件)は「見守り・駆け付け・保険」を安価に提供するものですが、SCS★3が求める組織的対策(規程整備等)までは対応しきれないという課題認識が示されました。
- 新類型は、①課題の可視化(SCS評価制度の要件ごとに対策状況を診断し、未達成項目を改善計画書にまとめる)、②対象サービスの選定と対応実施(推奨ITツールの導入、およびセキュリティポリシー・インシデント手順書の整備や教育などITツール以外の支援)、③★取得申請支援(専門家による確認・評価、申請書作成支援)の3ステップで構成されます。
- 公募で採択された15事業者が実際にサービスを提供し、幅広い業種(製造業のほか情報通信・金融・運送・サービス・医療業界等)への対応可否と、サービス内容・価格要件を検証したうえで、2027年度末を目途に正式な「サービス(新類型)基準」を作成・制度化する計画です。
- 参加メリットは、組織的対策を含む対策を無料(実証期間最大1年程度)で受けられること、★取得要請への備え、取引先との信頼性向上の3点とされています。
- 本施策は、IPAが示すSCS普及の4施策(お助け隊サービス新類型の創設/中小企業ガイドライン整備/専門家活用促進/取引先への要請等に係る考え方整理)のうちの1つです。
対象となる「中小企業等」の線引き
参加対象は業種別の基準で定義されており、資本金または従業員数のいずれか一方を満たせば対象となります。主な業種の基準は次のとおりです。
- 製造業・建設業・運輸業、ソフトウェア業・情報処理サービス業、その他業種:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下 または 従業員100人以下
- サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く):資本金5千万円以下 または 従業員100人以下
- 小売業:資本金5千万円以下 または 従業員50人以下
大企業の支配下にある、いわゆる「みなし大企業」であっても、この資本金・従業員基準を満たせば対象に含まれる点は、一般的な中小企業向け施策とは異なる運用です(法人格のない任意団体等は対象外)。
誰に何の影響があるか
この定義に収まる中小企業にとっては、診断から申請支援までを無料で受けられる好機です。まずは紹介ページで15事業者の対象業種・エリアを確認するとよいでしょう。
従業員100〜700名程度の中堅企業は、業種と自社の資本金・従業員数の組み合わせ次第で、対象に入る場合と外れる場合が分かれます。特に卸売業(従業員100人超)、小売業(同50人超)、サービス業でソフトウェア・情報処理・旅館業を除く業種(同100人超)は基準が厳しく、資本金も基準を超えていれば対象外です。一方、製造業・建設業・運輸業・情報サービス業等は従業員300人以下または資本金3億円以下のいずれかで足りるため、従業員規模だけでは判定できません。自社がどちらに当たるか、資本金と従業員数の両方を確認することが最初の一歩です。
対象外となる中堅企業、あるいは対象内でも15事業者からの選定や、複数取引先からの異なる要求への対応に手間を感じる企業には、無料の範囲を超えた個別の伴走支援が選択肢になります。YOROZUの「① SCS評価 現状診断」(20〜40万円・定額)は、自社の現在地とギャップ、取得までのロードマップを個別に確定させるサービスで、その後の「② 実装伴走」で規程整備・ツール設定まで手を動かして支援します。
様子見の企業にとっても、支援エコシステムが実装段階に入ったことは、制度が「検討中の構想」から「実際に動き出す制度」へ移行しつつあるサインです。
今やること
自社の業種・資本金・従業員数を、本記事の基準表と照らして確認してください。対象に該当する場合は紹介ページの15事業者を確認し、対象外の場合や急いで進めたい場合は、まず無料のSCS簡易ギャップ診断で現在地を確認することをおすすめします。
出典
・ IPA「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」お知らせ(2026年9月15日更新)
本記事は2026年9月16日時点で公開されている経済産業省・IPAの情報に基づいています。制度の詳細は今後変更される可能性があります。最新情報は出典元をご確認ください。
